毎日の楽しみはあの子に出会う楽しみ

通勤途中で出会うあの子。それはぷくぷくに太ったニャンコ。それはまるでジブリの耳をすませばに出てくるような猫。自分が一番偉いと思っているのか、いつも同じ場所で見かける。その子に車の運転席から、心の中で挨拶をすることが私の日課。

いつの間にかその子に挨拶をするのが当たり前になっている。おはよう。今日は天気がいいね。おはよう。聞いてよ。昨日仕事が大変だったんだ。心の声なのでもちろん届くことはない。だけど、一人暮らしをしていて、親元を離れて友人もまだそんなにいない私には、結構大切な時間だったりする。

おはよう。君はどこに住んでるの?不思議とその近くを歩いてみても、会うことはないそのニャンコ。もしかしてあの子も、あの時間にあの場所で誰かを待ってるのかもしれない。

おはよう。聞いてよ。昨日彼氏と喧嘩したんだ。おはよう。聞いてよ。昨日彼氏と仲直りしたよ。おはよう。なんとプロポーズされちゃった。そしてね、お腹に赤ちゃんがいるみたいなんだ。そんな重大な告白をしても、あの子は素知らぬ顔をしている。だけどなんだかそれが安心する。いつか、お腹の赤ちゃんが生まれてきたら、特別にあわせてあげてもいいよ。そう考えて心の中で苦笑する日々。早く出ておいで。私の赤ちゃん。友達を紹介するね。